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敵(ヴィラン)との遭遇。「僕のヒーローアカデミア」2巻

しばらく学園モノらしく授業だったり日常イベントの話が続くのかと思いきや、2巻ではいきなり非日常イベントに遭遇します。

 

1巻の感想はコチラ

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あらすじ

本格的な授業が開始し、いよいよ戦闘訓練を迎えたデク達。2対2の戦闘を行う訓練で、デクの対戦相手は何と爆豪であった。デクへの苛立ちを露わに襲いかかる爆豪に対し、デクは勇気を振り絞り立ち向かって行く。勝利の女神はどちらに微笑むのか。

そして、研鑽に励む未来の英雄達に途方も無い悪意が迫ろうとしていた。

 

感想

デクVS爆豪

デクとお茶子がヒーロー側、爆豪と飯田が敵側に分かれて戦闘訓練が始まります。爆豪はおよそヒーロー志望とは思えない形相でデクに突っかかってくるので、必然的にデクVS爆豪、お茶子VS飯田の構図になります。

手加減も出来なければ、使えば自壊してしまう個性のデクは個性無しで爆豪と渡り合います。これまで溜め込んだヒーローに関するオタク知識を使い、爆豪の猛攻を防ぐデクが凄いです。これまでの努力が報われて本当に良かった。

2人の決着は勝負の目的を忘れなかったデクに軍配が上がります。自尊心を粉々にされた爆豪とデクの溝が深まってしまったようで、今後、爆豪の闇堕ち展開が待っているのか、ちょっと心配です。

 

個性豊かなクラスメイト達

文字通り「個性」豊かです。中でも轟の「個性」が群を抜いていますね。「半冷半熱」という炎と氷を操る能力のようですが、建物を丸ごと凍らせてしまうとは恐れ入ります。炎のほうの出力は明かされてませんが、相手が近づくことを許さない強力な個性です。いや、ほんと、作中でも切島が言ってますが、最強じゃねぇか!!

 

雄英高校襲撃

オールマイトの命を狙い、事前にカリキュラムを調べあげた敵の一団が、デクのクラスの訓練中に襲撃してきます。オールマイトがいないことを知った敵はクラスの面々に襲いかかります。バラバラになった生徒たちは、それぞれ敵に立ち向かうことに。

そんな中、デクは「蛙」の個性を持つ梅雨ちゃんと「超くっつく」個性の峰田と協力し窮地を脱します。とっさの状況判断だったり、「個性」の活かし方に優れるデクはピンチの時に頼りになりますね。そういう特性は参謀とか指揮官向きなのに、受け継いだ個性がバリバリ前衛なのがアンバランスですが。

 

まだまだピンチが続く2巻でしたが、3巻ではこのピンチを脱することが出来るのでしょうか。

少年よ大志を抱け。Plus Ultra!!「僕のヒーローアカデミア」1巻

前作「逢魔ヶ刻動物園」は残念ながら打ち切りとなってしまいましたが、「僕のヒーローアカデミア」は今のジャンプの看板作品にまで成長して、嬉しい限りです。

今回はその「僕のヒーローアカデミア」の1巻の紹介です。

 

あらすじ

世界総人口の約八割が「個性」と呼ばれる何らかの”特異体質”である超人社会となった現在。かつて誰もが憧れて夢見た「ヒーロー」という職業が脚光を浴びていた。そんなヒーローに憧れる主人公・緑谷出久(みどりやいずく)ことデクは、この世界では珍しい何の個性も持たない「無個性」であった。

それでも夢を諦めきれないデクは多くのヒーローを輩出している名門校「雄英高校」の受験を目指すが、幼なじみの爆豪勝己(ばくごうかつき)によりその目標を阻まれてしまう。

失意の中帰路につくデクの前に敵(ヴィラン)が現れる。個性を悪用する敵に対し、為す術のないデクであったが、思わぬ人物に助けられる。その人物とはNo.1ヒーローのオールマイトであった。

思いがけぬ憧れのヒーローとの出会いが少年の運命を変える。こうして、少年が「最高のヒーロー」を目指す物語が幕をあける。

 

感想

無個性の主人公

主人公・デクは幼少の頃から「ヒーロー」に憧れるも、何の個性もない「無個性」であるため、「ヒーロー」になれる可能性はゼロという絶望的な現実に直面します。さらに、それでも夢を諦めきれないデクに対し、追い打ちをかけるように良個性の幼なじみ・爆豪に打ちのめされるという、なかなかキツイ出だしです。

 

憧れの英雄との出会い

打ちひしがれてトボトボ帰り道を歩いていると敵に遭遇してしまう不運っぷり。しかし、敵を追ってきたNo.1ヒーローのオールマイトに救われます。憧れの人物を前に「無個性でもヒーローになれるか」を問いかけるデクですが、オールマイトの返答は辛い現実を教えるものでした。グリグリと傷口に塩を塗りこんでいきます。これは夢も希望もある少年誌の作品ですよね?と不安になります。

 

緑屋出久:オリジン

夢を諦めようとするデクですが、爆豪が敵に捕らえられている現場に出くわします。自分にでは何も出来ないと立ち竦むデクですが、不安そうな爆豪の顔を見た瞬間に敵へ向けて駆け出します。ずっとオールマイトに憧れ続けたデクだから、「人を救けたい」という気持ちは嘘偽りない本物なのだと思います。だから、誰もが傍観を決め込む中、ただ一人敵に立ち向かえたのでしょう。職業としてヒーローが確立されている作中の世界では、こういう純粋な思いを持つヒーローと言うのは少ないのかもしれません。そして、その姿に感化されたオールマイトに助けられたデクは、彼からある提案をされます。

 

引き継がれる力「ワン・フォー・オール」

一人が力を培い、その力を一人へ渡し、また力を培い次へ渡していく・・・そうして引き継がれてきた個性がオールマイトの個性であると明かされます。そして、その個性はデクへと引き継がれます。無個性のまま「エムゼロ」のように機転で乗り切っていく話なのかなと思っていたので、これは意外な展開でした。

 

雄英高校入学へ

個性を得たばかりのデクは入学試験に苦戦しますが、ここでもその本質を発揮して人助けをしたことを評価され、何とか合格を勝ち取ります。合格の理由はご都合主義的な面もありますが、単純に能力の有無をはかる資格試験なら別ですが、教育の場の試験ですから、心理的な側面も必要なのかなと思います。爆豪とか能力はすごいけど人格的にヤバイのもいますし(笑)

 

入学後の個性を使ったテストを何とか乗り切り、戦闘訓練へと入ります。力の出力が上手く出来ず、個性を使えば自壊してしまうデクは、どのように乗りきるのでしょうか。

再集結を目指して決死の行軍。「アルスラーン戦記」5巻

アルスラーン戦記(5) (講談社コミックス) アルスラーン戦記(5) (講談社コミックス)
著者:荒川 弘、田中 芳樹

出版社:講談社(2016-05-09)
Kindle版:アルスラーン戦記(5) (講談社コミックス)

散り散りになったアルスラーン一行やルシタニア内部の騒乱が描かれた5巻の紹介です。

 

4巻の感想はコチラ

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あらすじ

アルスラーンエラムギーヴダリューンファランギース、そしてナルサス。3組に別れたアルスラーン一行は、ペシャワール城での再集結を目指して追撃をかわしていた。そこへ新たな強敵が立ちふさがろうとしていた。

ルシタニアが占拠する王都エクバターナでは王の勢力と大司教ダンの勢力が対立を深めていた。そして騎士団長ヒルディゴの死を境に事態は大きく動き出す。

 

感想

ダリューンファランギースVSザンテ

迫り来るダリューンを見て逃げ出すルシタニア兵。ファランギースも言っていますが、賢明な判断だと思います。

そんな中、カーラーンの息子のザンテが2人の前に立ちふさがります。闘志をむき出しに大剣を振るい、圧倒的な力でダリューンに迫ります。

ファランギースの援護により、ザンテを倒すことに成功しますが、ダリューンはトドメを刺すことをためらいます。ダリューンのこの甘さが後々命取りになりそうです。

それにしてもファランギースは弓術だけじゃなく武芸全般に長けているようですね。場容赦もないですし、素晴らしい(笑)

 

ヒルメスVSゾット族の娘アルフリード

ヒルメスアルスラーンを追う道中で立ちふさがったゾット族を返り討ちにします。族長の娘アルフリードは父の仇を討つべくヒルメスに襲いかかりますが、これも返り討ちにされてしまいます。その凶剣がアルフリードに振り下ろされるすんでのところでナルサスが介入し、この窮地を救います。ここではナルサスの智略により逃走しますが、実際ナルサスヒルメスがまともに剣を合わせるとナルサスの勝ちは厳しいか?ダリューンと互角に打ち合ってましたからね、ヒルメスは。

 

ナルサスVS地行の術

ヒルメスから逃れたナルサスアルフリードは近隣の村に立ち寄りますが、そこで魔導の者に襲われます。地面を潜り襲ってくる神出鬼没の敵に対し、その頭脳をもってこれを返り討ちにします。まさか、こんな策があったとは驚きです。

その姿を見たアルフリードナルサスは惚れられてしまい、押しかけ女房みたいな感じに迫られてしまいます。女運あるのかないのか(笑)

 

ルシタニア内部の騒乱

王というか王弟と大司教ダンとの対立が悪化し、騎士団長ヒルディゴの死を契機に、その対立が決定的になります。王弟側の兵が大司教の兵を退けますが、大司教の兵はエクバターナを後にする道中で主要な水路を破壊していきます。完全にただの嫌がらせですよね、これ。こんな身内で争っていて、周辺諸国から攻められないんでしょうか。

 

ナルサスを除く5人は無事窮地を切り抜けて合流を果たしたので、6巻では全員が揃いそうですね。無事ペシャワール城に辿り着き反撃に出て欲しいところです。

真の王への道。「アルスラーン戦記」4巻

アルスラーン戦記(4) (講談社コミックス) アルスラーン戦記(4) (講談社コミックス)
著者:荒川 弘、田中 芳樹

出版社:講談社(2015-10-09)
Kindle版:アルスラーン戦記(4) (講談社コミックス)

アルスラーン戦記には様々な王(王候補)が出てきます。それぞれの「王」のしての在り方は異なるので、何が正しいのか考えさせられます。アルスラーンはこの激動の中で何を学び、どのような「王」を目指すのか。険しい道程を行く4巻の紹介です。

 

3巻の感想はコチラ

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あらすじ

ルシタニアの追手の追撃から逃れるため、アルスラーンはカシャーン城に救援を求める。窮地を脱したアルスラーン一行は、そのままカシャーン城の城主ホディールに快く迎え入れられる。しかし、そこにはホディールの陰謀が潜んでいた。ホディールの考えを受け入れられないアルスラーンは、カシャーン城を出立することを決意する。それに対し立ちふさがるホディール。波乱の夜が始まろうとしていた。

 

感想

カシャーン城の戦い

カシャーン城の城主ホディールはアルスラーンを自らの都合の良いように利用するため、ダリューン達を捨て、自分に身柄を預けるように迫ってきます。到底受け入れることのできないアルスラーンはこの要求を拒絶し、アルスラーン一行はホディール軍と戦闘になります。首尾よくこれを退けたアルスラーンは自らの理想に従い、カシャーン城の奴隷を解放しますが、そこで現実を知ることになります。

現実を知ったアルスラーンですが、それでも理想を実現することを諦めません。こうした姿勢がダリューンナルサスから慕われる理由でもあるのでしょうね。

アルスラーンは武芸の師としてダリューン、政治の師としてナルサス、女の師としてギーヴ(笑)と周囲の人間にも恵まれているので、きっと間違った道を歩むことはないでしょう。

一方で銀仮面の男ことヒルメスですが、彼の方にはその血筋により人が集まっているので、アルスラーンとのそうした対比も面白いです。

 

人知を超えた魔導の術

ヒルメスと通じている怪しげな男たちは、どうやら魔導の術を使うようであり、地面を潜って移動し、ルシタニアの兵を殺めます。パルスとの戦での濃霧も彼らの術であったことが語られ、一気にファンタジー色が強くなって、ちょっと困惑しました(笑)

ただでさえ兵力の点で劣るアルスラーンなので、こんな力まで出てきてしまうと、さらなる苦戦を強いられることは明白です。居場所がバレたら暗殺待ったなしですし、何らかの制約があるんでしょうか。

 

散り散りになるアルスラーン一行

ペシャワール城を目指すアルスラーン一行ですが、ホディールの兵とルシタニアの兵に追われ、散り散りになってしまいます。目的地自体はハッキリしているので、この戦局を各々切り抜けられれば合流はできそうですが。

アルスラーンの元にはエラムギーヴが残ります。不実な男として定評のあるギーヴですが、何だかんだ言いつつもアルスラーンたちを見捨てず奮闘します。その行動を見るに、彼もアルスラーンに惹かれ期待している一人なんでしょうね。すぐ裏切りそうと思ってスイマセン。

 

カーラーンの息子ザンテ登場

パルスの地理に明るくないはずのルシタニア兵に、ことごとく進路を阻まれるアルスラーンですが、それもそのはず、ヒルメスに忠義を尽くすカーラーンの息子ザンテの協力があるのでした。カーラーンの死の知らせを受けて彼の家族を取り立てると言っていたヒルメスでしたが、ちゃんと有言実行してたんですね。カーラーンを大事に思っていたことが伺えます。ザンテもヒルメスの出自を知っていましたが、これは父親から聞かされていたのか、あるいはヒルメス自身が話したのか。いずれにせよ、優秀な男であることは間違いないですね。ボンクラにそんな情報教えられませんから。見た目と性格は明らかに脳筋なんですが(笑)

 

一難去ってまた一難、とことん窮地に追い込まれるアルスラーンですが、5巻ではこの窮地を脱することができるのでしょうか。

4人だけの奪還軍が1000人の兵に挑む。「アルスラーン戦記」3巻

アルスラーン戦記(3) (講談社コミックス) アルスラーン戦記(3) (講談社コミックス)
著者:荒川 弘、田中 芳樹

出版社:講談社(2015-02-09)
Kindle版:アルスラーン戦記(3) (講談社コミックス)

この巻から王都の状況を知ったアルスラーンが、王都の奪還へと動き出します。しかし、ルシタニア側のカーランがアルスラーンを捕らえるため、非情な策を実行します。様々な思惑が動き出す混沌の3巻の紹介です。

 

2巻の感想はコチラ

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あらすじ

ナルサスエラムを仲間に加えたアルスラーン達4人は、王都に向けて歩みを進めていた。

一方、カーラーンは行方知れずのアルスラーン一行を誘い出すために非情な策に打って出る。それは近隣の村を襲い焼き払うというものだった。

罠と知りながら蛮行を止めるべく動き出すアルスラーン一行。4人だけのパルス奪還軍がカーラーン軍1000人に挑む。

 

感想

4人VS1000人

正直、1000人くらいならダリューン無双で何とかできるんじゃないかと思ってしまいますが、どうやらそれは流石に無理な模様(後で5万人なら一人で相手にできそうみたいなこと言ってますが)。早速ナルサスの智略が光ります。カーラーンの思考を読みきり、見事自分たちの有利な状況に持って行きます。戦略がいかに大事かということがわかります。これを軽んじたばかりに、アンドラゴラス王の軍は敗退したわけですしね。調子に乗った脳筋久しからず。アルスラーンにはこれを教訓に、二の轍は踏まないでほしいものです。

 

カーラーンの思惑

パルス側からは裏切り者の謗りを受け、ルシタニア側からは寝返った異教徒として蔑まれるカーラーンアルスラーンのことを認めている部分もあるようですが、それでもパルスを滅ぼしアルスラーンを亡き者にしようとする彼の行動の裏にはどんな思惑が隠されているのか。全て”武人”としての行動のようなので、そうすると仕える”銀仮面の男”のためなのでしょうか。その真意が明かされるのか楽しみです。

 

絶世の美女ファランギース

女性でここまで濃いキャラというのも珍しいんじゃないだろうか?ギーヴが若干たじろぐくらいなので、よっぽどだと思います。それでも、めげずに付きまとうギーヴギーヴでよっぽどなので、どっちもどっちでしょうか(笑)

ファランギースアルスラーンに仕えるためにアルスラーンを探しているということで、ギーヴもこれに同行し、2人でアルスラーンの捜索を開始します。何やらアルスラーンの元には性格的に特殊な人間ばかり集まりそうです(笑)

 

銀仮面の男の正体

これまで謎に包まれていた銀仮面の男が本格的に行動を開始し、ダリューンと対峙します。ダリューンと互角の剣戟を繰り広げるほどの剣の腕を見せる銀仮面の男。ダリューンの一撃によりその仮面の下の素顔が晒されますが、ダリューンナルサスはその顔に見覚えがある様子。その正体は驚くべき人物でした。

 

ルシタニアの騎士見習いエトワールとの再会

アルスラーンは3年前に自分を人質として逃げまわった、パルスの捕虜となり奴隷にされたルシタニアの少年兵と再会します。現在は騎士見習いということで、頑張って出世したようです。

そんなエトワールからアルスラーンはイアルダボート教の簡易聖典を受け取ります。他者の考えを学び、それを受け入れる度量を磨いてくれると期待します。

 

銀仮面の男の正体が明らかになった3巻。アルスラーンと銀仮面の男のパルスをめぐる戦いは避けられそうにありませんが、4巻ではどうなっていくのかでしょうか。

稀代の天才軍師ナルサス登場「アルスラーン戦記」2巻

アルスラーン戦記(2) (講談社コミックス) アルスラーン戦記(2) (講談社コミックス)
著者:荒川 弘、田中 芳樹

出版社:講談社(2014-05-09)
Kindle版:アルスラーン戦記(2) (講談社コミックス)

この巻では一癖も二癖もありそうな濃い新キャラが続々と登場し、2巻も加速度的に面白さを増していきます。

 

1巻の感想はコチラ

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あらすじ

ダリューンの協力により難を逃れたアルスラーンは、ダリューンの友人である天才軍師ナルサスの元を訪れる。助力を乞うアルスラーンだが、隠居の身であるナルサスにこれを拒絶されてしまう。一筋縄ではいかない相手に、アルスラーンがとった行動とは。

一方でルシタニアはアンドラゴラス王率いる軍を撃破した勢いをそのままに、王都エクバターナを包囲する。自由を保証するルシタニアにより扇動された奴隷達は王都内部で反乱を起こす。内外から攻められ疲弊していくパルスは、遂に陥落の時を迎える。

 

感想

世捨て人の天才軍師ナルサス

現国王アンドラゴラスのやり方に不平を持つナルサスは、山奥で隠居生活をし絵を書いて暮らしていました。ナルサスの元を訪れて絵を見たアルスラーンですが、「絵?」という反応とともに目を丸くして、ご飯も喉を通らない状態に。これは下手とか通り越して、もはや呪いか何かの域に達してるんじゃないだろうか(笑)

そんな変人ナルサスですが、かつては天才軍師としてパルスに進行した50万の兵の三国同盟を容易く瓦解させた智略の持ち主。何としても助力を得たいアルスラーンは、思いもかけない提案でナルサスを口説き落とします。単純に条件でナルサスが動くとも思えないですし、提案された条件からもアルスラーンの人柄は感じられますから、ナルサスの思う”良き王”となる可能性を秘めていると感じて提案を飲んだのでしょうか。

 

流浪の楽士ギーヴ

美形、剣術に長け弓術にも長ける、楽士の腕も王妃をうならせるほど一流、無類の女好き、金にがめつい・・・という何やらすごいキャラが登場します。素性が一切わかりませんが、”王”というものに諦めめいた感情を持っているので、どこかの国の王に仕えていたのか、あるいは王子だったりするのだろうか。いずれにせよ、今後の活躍が楽しみなキャラクターです。

 

エクバターナ陥落

ルシタニアの執拗な攻めにより、遂にエクバターナが陥落します。パルスは王妃も捕らえられ、王の安否も不明という絶望的な状況に。そんな中でルシタニアの王がパルス王妃を見初めるカオスな展開になっていきます。女が原因で滅んだ国は数知れずありますし、ルシタニアも内部から分裂・瓦解していったりするのでしょうか。政治と宗教が対立している描写もありますし、パルスの富を得たことで内部の争いも激化しそうなので、そこにアルスラーン達が付け入る隙ができそう?

 

絶望的な状況ですが、天才軍師ナルサスとその従者エラムという頼もしい仲間を得たアルスラーンエクバターナの状況を知りどう行動するのか、3巻に注目です。

激動の英雄譚の開幕。「アルスラーン戦記」1巻

アルスラーン戦記(1) (講談社コミックス) アルスラーン戦記(1) (講談社コミックス)
著者:荒川 弘、田中 芳樹

出版社:講談社 2014-04-09
Kindle版:アルスラーン戦記(1) (講談社コミックス)

銀河英雄伝説」でも有名な田中芳樹さんの原作を「鋼の錬金術師」や「銀の匙 」で有名な荒川弘さんが描いた本作。アニメも2期が放映され、ますます人気が高まっていますね。今回はそんなアルスラーン戦記の第1巻の紹介になります。

 

あらすじ

戦で常勝を誇る強国「パルス」の王子・アルスラーンは、父のような立派な王となるべく剣の稽古に励んでいた。そんなある日、逃げ出した奴隷から子供を庇い、人質として捕らえられてしまう。奴隷から自分自身の常識とは違った考えを聞いたアルスラーンは、パルスの兵に助けだされた後も、奴隷のあり方に疑問を抱いていた。

そんな出来事から3年の月日が流れたアルスラーンが14歳の年、遠国の異教徒がパルスへの進行を開始。アルスラーンは遂に初陣を迎える。誰もがパルスの勝利を信じて疑わなかったが、パルス王都エクバターナは戦火と血に包まれてしまう。

故国を失った少年の英雄譚がここに幕をあける。

 

感想

アルスラーンの人柄に魅了される

現在の国王(アルスラーンの父)が筋骨隆々な見た目の通り強いリーダーシップを発揮するのに対し、アルスラーンは国民からも頼りないと思われている様子。ただ、その好奇心から自分と違う考えに対し否定から入らずフラットに受け止めることができ、どんな相手に対しても慈悲の心を持つアルスラーンは、父とは違った王としての器であるように思います。まぁ、あんな厳ついオッサン(王)と比べられたら、誰でも頼りなく見えてしまいそうですが(笑)

 

激動の運命

開戦前にアルスラーンは色々なことを危惧しますが、常勝を誇るパルス軍はその様子を鼻で笑ってしまいます。しかし、その危惧は的中し、敵国の罠にかかったパルス軍は全滅してしまいます。その罠というのが、アルスラーンにとってはかなり絶望的なもので、読んでて辛いものがありました。

 

ダリューン無双

そんなアルスラーンのピンチに単騎で駆けつけるダリューン。次々と敵兵を蹴散らしていきます。この人、負ける要素あるんだろうか?

ダリューン自身はアルスラーンを王の器として認めているような節がありましたし、信頼できる強い臣下がいて、本当に良かった。

 

アルスラーンはこの絶望的な状況にどう立ち向かっていくのか。2巻へ続きます。