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真の王への道。「アルスラーン戦記」4巻

アルスラーン戦記(4) (講談社コミックス) アルスラーン戦記(4) (講談社コミックス)
著者:荒川 弘、田中 芳樹

出版社:講談社(2015-10-09)
Kindle版:アルスラーン戦記(4) (講談社コミックス)

アルスラーン戦記には様々な王(王候補)が出てきます。それぞれの「王」のしての在り方は異なるので、何が正しいのか考えさせられます。アルスラーンはこの激動の中で何を学び、どのような「王」を目指すのか。険しい道程を行く4巻の紹介です。

 

3巻の感想はコチラ

nomanga-nolife.hatenablog.com

 

あらすじ

ルシタニアの追手の追撃から逃れるため、アルスラーンはカシャーン城に救援を求める。窮地を脱したアルスラーン一行は、そのままカシャーン城の城主ホディールに快く迎え入れられる。しかし、そこにはホディールの陰謀が潜んでいた。ホディールの考えを受け入れられないアルスラーンは、カシャーン城を出立することを決意する。それに対し立ちふさがるホディール。波乱の夜が始まろうとしていた。

 

感想

カシャーン城の戦い

カシャーン城の城主ホディールはアルスラーンを自らの都合の良いように利用するため、ダリューン達を捨て、自分に身柄を預けるように迫ってきます。到底受け入れることのできないアルスラーンはこの要求を拒絶し、アルスラーン一行はホディール軍と戦闘になります。首尾よくこれを退けたアルスラーンは自らの理想に従い、カシャーン城の奴隷を解放しますが、そこで現実を知ることになります。

現実を知ったアルスラーンですが、それでも理想を実現することを諦めません。こうした姿勢がダリューンナルサスから慕われる理由でもあるのでしょうね。

アルスラーンは武芸の師としてダリューン、政治の師としてナルサス、女の師としてギーヴ(笑)と周囲の人間にも恵まれているので、きっと間違った道を歩むことはないでしょう。

一方で銀仮面の男ことヒルメスですが、彼の方にはその血筋により人が集まっているので、アルスラーンとのそうした対比も面白いです。

 

人知を超えた魔導の術

ヒルメスと通じている怪しげな男たちは、どうやら魔導の術を使うようであり、地面を潜って移動し、ルシタニアの兵を殺めます。パルスとの戦での濃霧も彼らの術であったことが語られ、一気にファンタジー色が強くなって、ちょっと困惑しました(笑)

ただでさえ兵力の点で劣るアルスラーンなので、こんな力まで出てきてしまうと、さらなる苦戦を強いられることは明白です。居場所がバレたら暗殺待ったなしですし、何らかの制約があるんでしょうか。

 

散り散りになるアルスラーン一行

ペシャワール城を目指すアルスラーン一行ですが、ホディールの兵とルシタニアの兵に追われ、散り散りになってしまいます。目的地自体はハッキリしているので、この戦局を各々切り抜けられれば合流はできそうですが。

アルスラーンの元にはエラムギーヴが残ります。不実な男として定評のあるギーヴですが、何だかんだ言いつつもアルスラーンたちを見捨てず奮闘します。その行動を見るに、彼もアルスラーンに惹かれ期待している一人なんでしょうね。すぐ裏切りそうと思ってスイマセン。

 

カーラーンの息子ザンテ登場

パルスの地理に明るくないはずのルシタニア兵に、ことごとく進路を阻まれるアルスラーンですが、それもそのはず、ヒルメスに忠義を尽くすカーラーンの息子ザンテの協力があるのでした。カーラーンの死の知らせを受けて彼の家族を取り立てると言っていたヒルメスでしたが、ちゃんと有言実行してたんですね。カーラーンを大事に思っていたことが伺えます。ザンテもヒルメスの出自を知っていましたが、これは父親から聞かされていたのか、あるいはヒルメス自身が話したのか。いずれにせよ、優秀な男であることは間違いないですね。ボンクラにそんな情報教えられませんから。見た目と性格は明らかに脳筋なんですが(笑)

 

一難去ってまた一難、とことん窮地に追い込まれるアルスラーンですが、5巻ではこの窮地を脱することができるのでしょうか。