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少年よ大志を抱け。Plus Ultra!!「僕のヒーローアカデミア」1巻

前作「逢魔ヶ刻動物園」は残念ながら打ち切りとなってしまいましたが、「僕のヒーローアカデミア」は今のジャンプの看板作品にまで成長して、嬉しい限りです。

今回はその「僕のヒーローアカデミア」の1巻の紹介です。

 

あらすじ

世界総人口の約八割が「個性」と呼ばれる何らかの”特異体質”である超人社会となった現在。かつて誰もが憧れて夢見た「ヒーロー」という職業が脚光を浴びていた。そんなヒーローに憧れる主人公・緑谷出久(みどりやいずく)ことデクは、この世界では珍しい何の個性も持たない「無個性」であった。

それでも夢を諦めきれないデクは多くのヒーローを輩出している名門校「雄英高校」の受験を目指すが、幼なじみの爆豪勝己(ばくごうかつき)によりその目標を阻まれてしまう。

失意の中帰路につくデクの前に敵(ヴィラン)が現れる。個性を悪用する敵に対し、為す術のないデクであったが、思わぬ人物に助けられる。その人物とはNo.1ヒーローのオールマイトであった。

思いがけぬ憧れのヒーローとの出会いが少年の運命を変える。こうして、少年が「最高のヒーロー」を目指す物語が幕をあける。

 

感想

無個性の主人公

主人公・デクは幼少の頃から「ヒーロー」に憧れるも、何の個性もない「無個性」であるため、「ヒーロー」になれる可能性はゼロという絶望的な現実に直面します。さらに、それでも夢を諦めきれないデクに対し、追い打ちをかけるように良個性の幼なじみ・爆豪に打ちのめされるという、なかなかキツイ出だしです。

 

憧れの英雄との出会い

打ちひしがれてトボトボ帰り道を歩いていると敵に遭遇してしまう不運っぷり。しかし、敵を追ってきたNo.1ヒーローのオールマイトに救われます。憧れの人物を前に「無個性でもヒーローになれるか」を問いかけるデクですが、オールマイトの返答は辛い現実を教えるものでした。グリグリと傷口に塩を塗りこんでいきます。これは夢も希望もある少年誌の作品ですよね?と不安になります。

 

緑屋出久:オリジン

夢を諦めようとするデクですが、爆豪が敵に捕らえられている現場に出くわします。自分にでは何も出来ないと立ち竦むデクですが、不安そうな爆豪の顔を見た瞬間に敵へ向けて駆け出します。ずっとオールマイトに憧れ続けたデクだから、「人を救けたい」という気持ちは嘘偽りない本物なのだと思います。だから、誰もが傍観を決め込む中、ただ一人敵に立ち向かえたのでしょう。職業としてヒーローが確立されている作中の世界では、こういう純粋な思いを持つヒーローと言うのは少ないのかもしれません。そして、その姿に感化されたオールマイトに助けられたデクは、彼からある提案をされます。

 

引き継がれる力「ワン・フォー・オール」

一人が力を培い、その力を一人へ渡し、また力を培い次へ渡していく・・・そうして引き継がれてきた個性がオールマイトの個性であると明かされます。そして、その個性はデクへと引き継がれます。無個性のまま「エムゼロ」のように機転で乗り切っていく話なのかなと思っていたので、これは意外な展開でした。

 

雄英高校入学へ

個性を得たばかりのデクは入学試験に苦戦しますが、ここでもその本質を発揮して人助けをしたことを評価され、何とか合格を勝ち取ります。合格の理由はご都合主義的な面もありますが、単純に能力の有無をはかる資格試験なら別ですが、教育の場の試験ですから、心理的な側面も必要なのかなと思います。爆豪とか能力はすごいけど人格的にヤバイのもいますし(笑)

 

入学後の個性を使ったテストを何とか乗り切り、戦闘訓練へと入ります。力の出力が上手く出来ず、個性を使えば自壊してしまうデクは、どのように乗りきるのでしょうか。